Assistant Headmaster Dr. Kazuko West主事
ウェスト・和子

まず、これを読まれる皆様にお知らせしておかなければならないことがあります。本学院のウェブサイトは日米の両方の言語で書かれており、私の以下のメッセージ以外の部分は基本的に英語から日本語への翻訳となっております。私もまず英語にてメッセージを完成いたし次にその翻訳を試みたのですが、どうしても日本語を母国語となさる生徒、保護者の皆様にお伝えしたいことを思うようにお伝えできないことを痛感いたしました。それは、日米の言語の背景にある文化が異なるため、メッセージも翻訳ではなく一から日本語で書かなければ日本語を母国語とする皆様にお伝えしたいことをお伝えできないということであると思います。

皆様には私の英語でのメッセージもお読みいただけますれば誠に幸いです。

さて、1956年の経済白書の結びの言葉は「もはや戦後ではない」でした。この「戦後は終わった」という言葉はその後流行語になりましたが、私はまだ戦後が終わっていない時代に横浜で生まれました。そのころは進駐軍として横浜本牧に駐在していたアメリカの水兵さんが父の経営していた薬局に薬を買いに来まして、父が一生懸命英語で薬の説明をしていたことを子供心に、すごいなあ、と思い、父の一生懸命な姿を大変誇らしく感じましたことを、父がなくなった今でもはっきりと覚えています。

母は大家族の中で嫁として大変に苦労し、私を横浜の波止場に連れて行っては私と二人で海の遠くを長いこと見ていました。海の向こうにはアメリカという国があることを知りました。そのためか私も大人になってからもつらいことに出会うと、横浜の港に行って海の向こうのアメリカを見つめていました。

両親の思い出が英語であったりアメリカであったりしたためか、子供のころから英語には興味を持っていましたが、理屈っぽい子供だったせいか日本語と語順が違うことが自分の理屈に合わずこれをのり越えるのに大変時間がかかりました。

全ての教育は日本で受け20年ほど日本の高校で数学を教えていましたが、43歳のときに子供心に夢みていたアメリカの大学院に留学しました。ハーバードは出願の資格がTOEFL600点以上、TWE6点満点中5点でした。これを仕事をしつつ達成するためには通勤途上で英語のテープを聴いたり単語集を見ながら歩いていたりしました。

TOEFLで630までいきましたが、日本でTOEFLの高得点がとれたことと現地での英語が聞き取れることと全く関係がないことをハーバードの大学院に入学してから実感しました。英語がNativeと同じに使えて当たり前という環境のなかで、在学中は一瞬も気が抜けない緊張した生活を続けていました。

卒業後はマサチューセッツ州の現地の女子のボーディングスクールに就職し生まれて初めて数学を英語で教え寮のスーパーバイザーもしました。ハーバードのときは学生でしたからわからない英語があっても許されたわけですが、教師が教える言語がわからないではすまされません。今から思いますとこれは私の人生での最も苦しい時期でした。

一度入学したからには立派に卒業しよう、一度就職したからには立派にやり遂げよう、という決意だけで生き延びてこれたように思います。さらにこの就職と同時に日本語のわからないアメリカ人との再婚をしたのものですから、ちょうど自転車はこぎ続けていなければ倒れてしまうのと同じように、礼儀正しい英語で正確に意思疎通ができるように必死に努力し続けなければ仕事も私生活も崩壊してしまうという状況にありました。

在米5年目に突然、日本でいくら勉強しても読めなかったTime誌の記事が自然に読めるようになっていたことに気づきました。日本で勉強していたときは、読む、書く、話す、聞く、を個別に勉強せざるを得なかったわけですが、これらに同時に触れ、しかもただ漫然と英語漬けになっているのではだめで、何を言っているのか聞き取れなかったり何が書いてあるのか読み取れなかったりすると大変なことになるという状況の中で真剣に努力しないと英語力は短期間には伸びないのだと知りました。

さて、本学院の生徒たちは私が高校生のときには願ってもかなわなかった、読む、書く、話す、聞く、に同時に触れることができる環境にいます。しかも私のアメリカでの大学院のころや現地校で教えていたころと同じ追い込まれた環境、つまり英語で学ばなければ好成績が取れない、卒業ができないという、切羽詰まった状況にあります。私に言わせればこれで英語力が伸びないとしたら、その生徒は極力英語を使わなくてもすむように日本語のできる先生に教科の質問に行く、日本語のできる先生に相談にいく、というように英語を避けているのではないかと思えて仕方がありません。

いまや英語は世界語です。本学院も英語で教育ができるために世界から優秀な教員を集めることができます。あらゆる機会を利用してさまざまな文化を持った教職員と正確に意思疎通する努力を積み重ね、世界を舞台に活躍するための実力をつけるべく一緒に力一杯頑張りましょう。

Nurturing Future Global Citizens

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