言葉の力
慶應義塾ニューヨーク学院では、言語の理解と習得を、学びや人々との関わり、個人的な目標到達のための基本的な道具だと考えます。言語を的確に、分かりやすく、想像力を生かして使いこなすことは、文明の要です。
本学院では、英語と日本語という、伝統ある2大言語を一緒に学べます。両言語とも、それ自体に、散文、詩歌、演劇の各文化の精華があります。英語ではウィリアム・シェイクスピアやアーサー・ミラーの戯曲、ジョン・キーツやシルビア・プラスの詩、チャールズ・ディケンズやハーマン・メルヴィルの小説、日本語では芭蕉の俳句、能楽、『源氏物語』、川端康成の小説などがその例です。映画では溝口健二と黒澤明が、日本語と日本のイメージを世界に知らしめた傑作を残しています。
これら2つの優れた言語の伝統が、慶應義塾の教育における進取の精神の土台を形作っています。
本学院の使命は、生徒が生涯を通じて両方の言葉で学び続けられる基礎を身につけてもらうことです。まず、慶應義塾大学の学生として、そして学究、ビジネス、商業、科学、テクノロジー、公的機関と、より広い世界で学にあたり、英語と日本語の読み書きの十分なスキル、生き生きとした感受性、豊かな自文化への理解は、その備えとなります。
このような高い志は、やる気を引き出す授業と一貫した規律正しさによってのみ、成し遂げることができます。生徒が使いこなせる言語は、入学した時点では一か国語のみです。そのほとんどは日本語ですが、英語の場合もあります。本学院では明確なルールと良い習慣の形成を通じて、生徒の自信を育みます。学院では、イマージョン教育に取り組み、以下を日常の基本としています。
- 国語(日本語)以外は、授業はすべて英語
- 日本語のクラス以外のライティングを伴う課題は、すべて英語で記入して提出
日本語教育では、従来型の国語の授業を行います。日本語を継承言語としながらも日本語以外の言語文化で暮し、英語のほうが得意と思われる生徒に対しては、別途サポートを行います。
本学院では生徒集会など、生徒が人前で英語を使う機会が多く、シニア(第11学年、第12学年)向け土曜日午前中のプログラムでは、パブリックスピーキングやディベートのコンテストも行われます。
英語と日本語は、東アジアをはじめとする世界中で、今後重要な役割を担うと確信しています。バイリンガルである生徒が、困難があっても充実した未来に向けて、世代のリーダーの一員となることを期待しています。