学びの力

慶應義塾大学の創立者、福澤諭吉(1835-1901)は、今も本学院の教育・学習文化を啓発する存在です。福澤の姿は、日本の1万円札で見ることができます。著述家であり、教育者、起業家、政治理論学者でもあった福澤の政府と社会制度についての考えは、急速に変化した明治時代の日本に永続的な影響を与えました。

福澤は多くの西欧諸国を訪れ、政治と金融制度を学びました。当時は、どちらも日本では未知のものでした。福澤は米国のリベラルアーツ・スクールの伝統に感服し、その流儀の多くを慶應義塾大学の活動に取り入れました。福澤の中には、伝統主義者と急進的変革者が共存していたのです。

自著『学問のすゝめ』で、福澤は自由・平等・人間としての尊厳の尊さを説き、日本に現代的なものの見方を紹介しました。それは、伝統は不変である必要はなく、環境の変化に対応すべきであるというものでした。

教育そのものと生徒の心を形成するという取り組みにおいて、本学院では次に挙げる福澤の理念に沿うことを常に心がけています。

o   学業においては厳格かつ誠実に

o   社会の先導者の基本として、己を律すること

o   寛大な精神

o   独立自尊   独立した心を持ち、自らを尊重すること

o   気品の泉源 高潔な人格を追求すること

慶應義塾ニューヨーク学院の全人的なカリキュラムでは、英語、国語(日本語)、数学、理科、社会などをコアカリキュラムに位置付けています。アカデミックエクステンション(放課後学習)では、福澤諭吉をはじめとしてプラトン、アリストテレスなど西欧の科学啓蒙思想家の著作を引用したGreat Thinkers on the Path to Democracyや、Talking Citizenshipなど約30ものコースを展開し、生物多様性から人工知能まで、幅広いテーマを取り扱っています。こうしたカリキュラムを通して、学びの力に対する福澤の情熱に絶えず接していくことができます。

これらの理念は、単なる精神論には留まりません。独奏、合奏、合唱といった音楽活動は、本学院で特に重視する文化の一つであり、個々の精神および集団としての精神を育むものです。また、スポーツプログラムは、生徒それぞれのニーズと才能に合わせて入念に構成されており、身体を発達させ、人間の創造的な個性の表れを楽しめるようにしています。

本学院の「ハウス」システム内でリーダーシップを発揮する機会と、コミュニティサービス・プログラムによる地元コミュニティとの交流があることによって、学ぶ喜びを実感するコミュニティで生活する体験を生徒に提供します。