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私の舞姫論「もし父親が生きていたら」
Posted 01/15/2018 10:37AM

小松勇斗

 人々の生活環境は、それぞれの行動や考えに、大きく影響を及ぼす。日本人の多くが、同じような環境で育っているので、我々は同じような行動をしたり、考えを持つのだろう。一方、アメリカでは、宗教の違いや収入の格差が激しい。生活環境の多様性が、人々の多様性を生んでいるのだろう。同じ人でも、育ちや生活が変わるだけで全くの別人になる、と僕は思う。もし豊太郎が母子家庭で育っていなければ、エリート街道を進むことはなかった、また、優柔不断な男にはなっていなかっただろう。

 豊太郎は、幼くして父を亡くす。家父長制の武士家庭に生まれた豊太郎は、父の死後、家庭の大黒柱として大きな期待を背負ってきた。太田家の家名を汚さないよう勉強に励み、母の言いつけを守ってきた豊太郎は、東京大学を首席で卒業するほどのエリートとなった。しかし、もし父を早くに亡くしていなくても、このようなエリートに育っていただろうか。母子家庭ならではの家庭を守るという責任感と父抜きでも生活を支えれるようになるという周りからの期待を背負って豊太郎は成長してきた。このような、人一倍のプレッシャーを乗り越えてきた豊太郎だからこそ、勉強にあれ程熱心になれたのだ。もし父がいれば、幼くして家名を背負うこともなく、少ないプレッシャーで育ち、東京大学を首席で卒業するような秀才にはなっていなかっただろう。もともと藩校に通い、英才教育を受けていたがこれほどのエリートになることはできなかっただろう。さらに母子家庭で育った環境は、性格にも大きく影響している。父の死後、勉強をすれば家名守れると頑張ってきた豊太郎は、自分の考えを持つことなく、母の言うことばかりを聞いてきた。これが、優柔不断で人の意見に影響されやすい豊太郎を作った。親友の相沢には、自分の思いや葛藤を伝えることができず、相沢の言いなりになっていた。また、エリスとの関係も、どのようにしていくか自分でしっかりと決断することができないまま、悔いの残る別れをしてしまう。もし父がいれば、同性どうしならではの厳しさを経験し、悩んだ時はいつでも父を見習うことができるので、優柔不断にはなっていなかっただろう。さらに、武士の父のもと成長した豊太郎なら、外国人と付き合うことなどなかった。

 豊太郎は、父を早くして亡くさなければ、全く別の人生を歩んでいた。父がいないことによる受けるプレッシャーがないため、東京大学を首席で卒業するほどの勉強はしていなかっただろう。また父の考え方や教えのもとに育ち、優柔不断な人にはなっていなかっただろう。家庭環境の及ぼす影響は絶大で、子供達の将来を大きく左右しているのだろう。

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