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一番身近な人生の先輩
Posted 01/15/2018 10:10AM

山口 泰知

 大晦日の夜、旅行先のキューバのホテルで、私は自分の父親(43)にインタビューをした。いままでどんな仕事をしているのかは知っていたが、いまの仕事に就いた経緯や、子供の頃の夢などについては、よく知らなかった。まずは一番気になった子供の頃の夢と、それを叶えられたのかどうかを聞いてみた。

 「子供の頃の夢は医者だったかな。でも医者は諦めざるを得なかった。医者になりたいと思っていたのは、いわゆる子供の夢みたいなもので、頭の良さが足りなくて現実をみたね。中学校後半から高校にかけては、バブル真っ只中で、お金を稼げる職業に就きたいと思った。証券、保険、銀行、商社のどれかに入れたらいいなと思っていた」と語ってくれた。今、彼は自動車部品の会社に勤めている。高校時代には商社や銀行などに勤めたいと考えていたのに、なぜ今の仕事についたのだろうか。尋ねてみた。

 「今の仕事についた積極的な理由は、ただ単純に車が好きだったからだね。でも、消極的な理由を言うと、就職超氷河期と呼ばれる時代で、入れる会社の中では一番だったからかな。」

 つまり、彼は高校時代に望んでいた会社に結局入れなかったということになる。それでも今の仕事に満足しているのであろうか。

 「満足はしているよ。まず、好きな自動車業界で働けているから。それで労働に対しての対価が、つまり給与にも満足しているから。自分が売ったものが、世の中のためになっていることが嬉しい。自分が値段をつけて売ったものが、街中を走る車についていると思うと、社会貢献ができていると思うときに、喜びを感じるんだよね。」と嬉しそうに語ってくれた。それでも、彼はもし自分が高校生に戻れるとしたら、「宇宙関係のエンジニアになって、宇宙開発をしたい」という。今の仕事に満足していながらも、子供の頃や高校時代の夢とは違った職業についた父。それでも自分の仕事に誇りを持っている父親を、私は誇りに思う。

 

 

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