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文部科学省が掲げるべき新しい三本の矢
Posted 03/17/2018 10:07AM

 Ayane Toda

  今の日本にとって、グローバル化は経済を発展させるための重要な鍵だ。個人にとっても、新しい言語を学び世界を広げることは財産になる。しかし、現在文部科学省が唱えている三本の矢は、グローバル化を効率良く進めているとは言い難い。

 この政策は、(1)日本人大学生を外国の大学に送り、(2)外国人大学生を日本の大学に迎え入れ、(3)日本の大学の授業を英語で行うというものだ。( スティーブン•ギブンズ『法と経済のジャーナル』 参照) 会社が海外に出ていかなければならない状況にある今、会社に入って英語でコミュニケーションがとれない社員がたくさんいる、という問題を解決する策として出された。

 しかし、二十年弱、日本がずっと日本語だけで生きてきた大半の大学生の日常に、いきなり中途半端に英語が飛び込んできても、その場その場でやり過ごしてしまうのが、当然だろう。外国人が同じクラスにいても、話さなければ困ることはない。外国の大学に行っても、同じ状況の日本人と一緒にいる。分かりづらい片言の英語の授業も、日本語で解決されてしまう。これでは、時間とお金の無駄になっている、と言っても過言ではない。

    これは単に、もっと早くから英語教育を始めれば良い、という問題ではない。日本はすでに2011年より、小学校五年生から英語教育を必修化している。2011年に小学五年生だった生徒は今17歳だ。現在の高校生は英語に対してどう思っているのだろうか。2018年2月8日公表のデータによると、将来グローバル人材になりたいという高校生は50パーセントと、半数を占めた。しかし、苦手教科では英語と答えた生徒が44パーセントで、二位に挙げられた。また、留学したいと答えた生徒は17.5パーセント、したくないと答えた生徒は48パーセントという結果もでている。(マクロミル参照)

 このように、英語教育に対して良く思わない生徒がたくさんいる中で、国内外の留学生の数を増やしたり、英語による授業の数を増やすことは好ましくない。現に、中学校から必修だった英語を小学五年生からに早めても、英語が苦手と感じる生徒が半数近くいるのだ。2020年からは小学三年生から必修化へ再び前倒しするそうだが、その質や前準備を変えなければ、子供たちが抱く英語への姿勢は変わらないだろう。

   そこで、より効率良くグローバル化を進めるには、1)英語の授業を外国人によって行う、2)日本の小~大学に外国人を迎え入れる、3)日本人大学生を外国の大学に送る、という政策を取るべきではないだろうか。

 まず、1)の英語の授業を外国人によって行うという政策だが、これは大前提といっても過言ではない。外国語以前に、外国人や外国の文化に免疫のない日本人が、同じような日本人に教えられたところで自国で完結していることになる。英語の授業を小学校五年生から始めているのにも関わらず、英語力に伸び悩む人が多いというのは、異文化への理解が足りないからではある。英検準一級でさえ所持しているのかさえ不明確な日本人教師に教えられるより、英語を数十年間母国語としてマスターしている外国人を雇う、それによって、言語としての英語だけでなく、文化、考え方から、英語を早くから理解することができ、大学、社会で英語を実際に使うことがスムーズになると考えられる。

 2)日本の小~大学に外国人を迎え入れるという政策は、外国人教師は勿論だが、生徒、スタッフ、ゲストスピーカーなど、いろいろな方法で取り入れることができる。これによって、外国人と初めてきちんと話す場が、失敗の許されないビジネスの場、ということは軽減されるだろう。文法やルールなどに囚われず、相手に伝えるという大前提の概念が、ここで初めて生まれるはずだ。

 最後に、3)日本人大学生を外国の大学に送るという政策だ。これは文部科学省が現在行っているものと変わらない。短期間にしろ長期間にしろ、留学に行くのは意味があることだ。どうせ日本人同士でグループになってしまうという意見もあるが、日本の会社に所属しながら外国とやり取りするのに、そこまで支障はないのではないか。コミュニケーションを取れるようにするという意味では、極論言いたいことが伝われば良い。長期間、外国人のコミュニティーに属するのに越したことはないが、乗り気しない人もいるし、コストもかかるため、期間の長い短いに関わらず、留学は続けるべきだ。

 これらの新しい政策を実行すれば、小学生に英語教育は負担が大きすぎる、コストがかかりすぎる、外国人が社会に悪影響を及ぼす、といった意見も出てくるだろう。しかし、今の日本は、明治のときのように、経済を発展させる急速なグローバル化が必要とされている。長い目で見れば、グローバル化を効率的に進めて十年後、二十年後に海外で活躍できる人材を育てることが、今の日本にできる精一杯ではないだろうか。




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